Saturday, August 6, 2016

海からの贈物・アンのことば⑩

●人生の黎明や、40、あるいは50前の壮年期に属する原始的で肉体的な、仕事本位の生き方はもう中年にはない。
しかし人生の午後が始まるのはそれからで、我々はそれを今までのもの凄い速度ではなしに、それまでは考えてもみる暇もなかった知的な、また、精神的な活動に時間を割いてすごすことができる。
●我々は時計の針を押し戻して、人生の朝を長引かせようとし、この不自然な努力に体力を使い果たす。
●確かに世間一般の態度は、我々がこの人生の後半をそういう風に解釈するのを困難としている。
そしてそれ故にこの実際は拡張の時期であるべきものがよく当人にも悲劇的な具合に誤解されて、多くのものはこの40から50に掛けての時代を乗り越えることができずにいる。
●我々はそういう人生上の兆候を死が近づいて来る印のように解釈する。
それを真面目に取り上げる代わりに頬被りをするのであって、精神的な沈滞や、神経衰弱や、酒や、恋愛や、或いは度外れに烈しい仕事振りに逃げ道を求める。
どんなことでも、中年の兆候に面と向かって、それに教えられるよりはましなのである。
こうして我々が成長した印を消そうとし、それが悪魔ででもあるように追い払おうとして、それが実際は御告げの天使であるかも知れないとは考えない。
では、何を告げる天使だろうか。
生きて行く上での或る新しい階段を、であって、それまでの活動的な生活に伴う苦労や、世俗的な野心や、物質上の邪魔の多くから解放されて、自分の今まで無視し続けた面を充実させる時が来たのである。
それは自分の精神の、そしてまた心の、それからまた才能の成長ということにもなって、こうして我々は日の出貝の狭い世界から抜け出すことができる。
★アン・モロウ・リンドバーグ本人よりも有名になってしまったことばかもしません。
「50は人生の午後のはじまり」
インターネットで調べてみたら、サン・ペドロのファーマーズ・マーケットは毎週金曜日の10時から2時までだそうです。
小さな小さなマーケットです。
まるで人生の午後の始まりのようなマーケット。
野菜と果物と植物とお花、パンと蜂蜜とほんの少しの手作りの小物、それが全てみたいなマーケット。
でも、必要なものはそれほどなくって、おいしいもの、身体がほしがるものを、少し買って丁寧にお料理することを楽しめる人のためのマーケット。