それでも人生にイエスと言う・V.E,フランクルのことば⑥

●苦悩は、まさに人間にだけあることだからです。
なにはともあれ苦悩は人生そのもののうちに含まれているのです。
ですから、まさに苦悩しないことが病気である場合もあります。

●精神病は、けっして精神の病気ではありません。
つまり、精神が病気になることはありえないのです。
精神的な側面は、いつでも、真や偽であり、有効や無効があるだけで、病気になることはけっしてありません。
●当時、私たちは、食べるとか腹をすかすとか、凍えるとか眠るとか、ミツバチのように働くとか殴られるといった人間にふさわしくない問題ではなく、ほんとうに人間らしい苦悩、ほんとうに人間らしい問題、ほんとうに人間らしい葛藤にどれほどこいこがれたことでしょう。
私たちはどれほど悲しく切ない思いで、動物のような苦痛や危険ではなく、人間らしい苦悩や問題、葛藤がまだあったころのことを回想したことでしょうか。
とにかく人間にふさわしく意味のある苦悩が課せられている状態をどれほど切望したことでしょうか。