やれやれって、いつになくくたびれた気分で帰路に着き、誰にともなく「ただいま」ってつぶやきつつ、のろのろとキッチンまで進むと、夫が、「お兄さんからお手紙だよ」って渡してくれた。
開くと満開の桜。
うゎ~と思って、しばらくかたまっちゃった。
やっぱ血は争えないっていうか、母も3Dカード好きだけど、お兄ちゃんもそうだったんだ。
実は私もはなも無類の3Dカード好き。
はななんて、手作りしちゃうのだから、あきれたDNAの情報伝達の確かさです。
女の子みたいな文字もそのまんま。
ちっとも変っていません。
カードを自分のデスクに飾って、どかっと椅子に座りこみ、コンピューターを開いてメールチェックすると、これまた春を告げる、涙の出そうなメールが東京の千代ちゃんから届いていました。
やっとのことで書いていますという、冬の終わりを宣言する長い長いメール。
ピアノのこと、片方だけの靴下のこと、仕事のこと、大学進学のこと。
3回読んで、それでも読み足りなくて、特別なフォルダに保存しました。
彼女も、日本ももう春だからって、それで、私にメールをくれました。
私は、幸せです。
愛する人が教えてくれる、春はきたよ、ただこの春を楽しもうって。