Wednesday, April 16, 2014

木の上から見た列車に乗る旅③

おはよう!
たっぷり眠って、ぼんやりとした頭のまま、ベッドの中で、昨日のことを一生懸命に思い出していた。
ほんのそこまで、行って帰ってきただけなのに、すごい冒険になってしまったものだ。
行くはずじゃなかった、山間の駅のホームに降りた瞬間、いろんな思いが心に浮かびました。
もし、電話の電池の続く間に夫に連絡がとれなかったら、タクシーに乗って、近くのモーテルに泊まることになるのかな、とか。
だいたいタクシーを呼ぶ電話の電池がないし、とか。
そしたらバスね、とか。
そんでもって、もっともっとわけのわかんないとこに行っちゃうんでしょ、私のことだから、とか。
そんでもって、もっともっとわけのわからないとこで、わけのわからない人に財布も電話も取られて、寒がるはなを抱いて、フリーウェイの脇で、助けを求めて手をふることになったりして、とか。
ほんの一瞬に、レギオン軍団が私の心の中にどかどかと入り込み、思考を占拠しようとしたのも、これまた事実。
でも、全てはあの、想定外の風変わりなおじさんの存在のおかげ。
帰ってよくよく調べてみたら、Yの字のVの部分を走る列車は確かにあって、私とはなを拾ってくれたその列車が本当の最終便でした。
私は、また、奇跡の特別運行かと思いました。ホントに。
だって、降りたら、すぐに来てくれたのだもの、あんなおそそしく誰もいない山に囲まれた駅で。
おじさんを写真を撮ればよかったね。
すごく変ったおじさんで、「私が行きたい駅にも、その列車は本当にとまるのかしら」って聞くと、大きなバッグから、大きなトランシーバーを取り出して30センチぐらいアンテナをのばして誰かにこそこそ聞いてくれたの。
ものすごく感度の悪いトランシーバーなのに、おじさんは自信たっぷりに「間違いない」って私の目を見て言ってくれた。
小柄できちんとした身なりの白人男性だった。
ルーシーの弟のライナスが中年になったって感じの。
天使って変装したりするのかな・・・。