Wednesday, August 26, 2020

もう痛くない

お兄ちゃんが亡くなりました。
かれこれ、24時間ぐらいたつので、気持ちもずいぶんと落ち着いてきたところです。
知らせを受けて、夫がすぐに色々調べてくれました。
日本で飛行機を降りた後の公共の乗り物には乗れないこと。
日本国内での乗り継ぎも含めて・・・。
それで、できるかぎり、家の近くに行ける飛行機を調べてくれました。
ニューヨークから来て、サンフランシスコと台湾を経由して、福岡に行く飛行機が週に1回だけ飛んでいて、次は9月2日にLAに来るということ。
福岡からはレンタカーを借りて家に帰らなければならないのですぐにAAAのウェッヴサイトを開いて、国際運転免許のアプリケーションをプリントアウトし、記入を済ませ、それを持って、近所のAAAに行きました。
同じモールにFEDEXのオフィスがあるので、そこで写真も撮ってもらいました。
ほとんど待ち時間もなく、ライセンスは発行されました。
Wi-Fi を借りなければならないけれど、その前にレンタカーの予約をしようと家に戻りました。
レンタカーの予約の証明がないと、エアポートの近くのホテルに2週間ステイしなければならいないのです。
レンタカーで家までたどり着けば、家でステイできます。
車も見つかり、予約をしようとしたところで、少し、考えて、父に電話をしました。
父は、なんと、もう、葬儀屋さんにいました。
「あわてて、帰ってこなくても、だいじょうぶ。母さんとふたりでなんとかやれるから。コロナがおさまってから、ゆっくり帰ってくればいいから」なんて・・・。
そこで、私は急に力が抜け、時計で時間を確かめてから、父と母の教会の牧師にテキストメッセージを送りました。
朝の6時半、お兄ちゃんが亡くなってから3時間後です。
すると、すぐに「これから向かう」と返事が来ました。
そして、また、すぐ、「連絡が取れないのだけど、今いる場所を知らせてほしい 司式は私がやると伝えてほしい ご両親のためにもそうすべきです」と返ってきたので、父に電話をしました。
父はなかなか電話に出ないけれど、近くにいた母が出てくれて、「今、ここの人とお話しているから」なんて言うのをさえぎって、「お願い、お母さん、これは、とっても大切なことなの、話をすすめないで、今そこに、廣田先生が来てくれるから、待っていて」と伝えました。
先生に葬儀屋さんの名前をテキストして、しばらく待ちました。
そして、無事に会えたという知らせを受けてから、私は、レンタカーの予約も、飛行機の予約もしないことにして、ラップトップを閉じ、代わりにピアノの蓋を開いて、夕方まで、ずっと賛美していました。
それから、3人の姉妹にお兄ちゃんの死を知らせました。
今、彼女たちの祈りに支えられて、私の心は静かです。
はなが言いました。
「もう痛くない」
そう、お兄ちゃはもう痛くない。
痛いのは、残された私たちのこの胸。




 

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