朝はやってきたけれど、気もちはまだ夜のままです。
自分のお部屋の灯油が切れたので、外に給油に出ました。
カーテンをあけて、テレビをつけて、居間に座る母に、「お母さん、昨日の話、覚えている?」と聞いてみました。
予想通り、「なあに?」という言葉が返ってきたので、もう一度、簡単に説明してみました。
「お父さんの手術は中止になったの。癌が肺に転移していることがわかったから。思いのほか早く進行しているらしいの。でも私は、ずっといるから一緒に乗り越えようね。」そう言って、灯油を部屋に持って上がって、すぐに居間に降りてきたのだけど、母は、もう、テレビを消して、クッションを頭に横になって目を閉じていました。
私は自分が何をしたのかよくわからない。
私は自分が何をすればよいのかわからない。
No comments:
Post a Comment