解き放つ

自分の神を知る人たちは堅く立って事を行う。

ダニエル 11:32

人生の意味は、自分の才能を見つけることである。

人生の目的は、それを解き放つことである。

ピカソ

日本に帰ってきて、母とふたりで、この家でひっそりとした日々を送っていると、今までずっとそしてきていて、そしてこれからもずっとここにいてこうしているような気がする。

いつもそう。

でも、今朝、4時ぐらいにはなから電話があり、大写しの顔で「ママ、dramaminどこ？」と言われ、すごく驚いた。

そうだった。ここじゃないところにも家があったんだ。結婚もして子どももいたんだった。

「ママの引き出しの下の左の手前の角」と難しい日本をペラペラとしゃべったら、引き出しの中を写すので、左と手前について、「はんたい」、とか、「そう」、とか言いながら教えた。

英語が一言も出てこない・・・。

少しだけうとうとして、でも起きることにしておいしいコーヒーを飲みながら聖書を読みました。

母はとても元気です。

半年前とあまり変わっていません。

暮らしぶりにも何の変化も見つけられませんでした。

だから、私は、いつものように日用品をどっさり詰めたスーツケースと共にLAに引き揚げる準備をしています。

私がここにいると、母は私としかおしゃべりしないけど、私がいなくなると、デイサービスでお仲間に会ったり、職員さんい世話を焼かれたり、ヘルパーさんと一緒に家の仕事をしたり、裏のおばちゃんと塀越しにおしゃべりしたり、移動マーケットで近所の人に会ったり、ケアマネージャーさんの訪問を受けたり、もしかしたら教会の人たちの訪問もあったりして、色々忙しく刺激的なのかもしれません。

何よりも認知症じゃない人が認知症じゃない人の常識で母に細かいことを注意したり、制限したり、禁止しないことは認知症の母にとってとても良いことだと思いました。

向こう半年のことだけを見据えてLAから見守ろうと思います。

そのくり返し。

どこかで、何かあれば、その時は、その時に、どうするか、考えることにして。

母と一緒に。