Wednesday, July 27, 2016

海からの贈物・アンのことば⑨

●一つの関係が持続するのが、結婚というものではないだろうか。
それは勿論そうなのであるが、しかしそれが何もただ一つの形、或いは状態、例えば日の出貝の状態で続く必要はない。
日の出貝の他にも、私の机の上に並べる貝がある。
●それは牡蠣で、どれもがその生活を続けて行く必要から生じた独自の形をしている。
●いかにもごたごたしている感じであらぬ方向に拡がり、いろいろなものが付着していて、これは中が空になったのが波に打ち上げられたのであるが、生きている間は私たちの生活と同様に、岩にしっかり根を降ろしている。
牡蠣は確かに、結婚して何年かになる夫婦生活を表すのに適した貝のようである。
それは生きて行くための戦いそのものを思わせて、牡蠣は岩の上にその位置を占めるために奮闘し、その場所にしっくり嵌って、容易なことではそこから引き離すことはできない
★私たちの結婚も、この家も、牡蠣のようかもしれません。
つぎはぎだらけかもしれないけど、生きごこち、住みごこち、それほど悪くない。
っていうか、すごくいい。
私は、どこに行っても、ここに帰ってくるとすごく落ち着きます。
家族と一緒ならともかく、どんなにきれいでも、素敵でも、ホテルなんて、できたら泊りたくない。