Thursday, April 22, 2021

入院初日


入院初日なので、検査や説明、話し合い、ペーパーワーク、色々と忙しかったけれど、ひとつひとつがとても丁寧にやさしく進められ、父も母と私も全く無理なく、新しい生活へと心を整えるできたと思います。
山の中の森にひっそりとたたずむホスピスは、とても小さく、病院というよりは旅館のよう。
でも、そのケアは私が見たどの病院よりも病院らしかった。
父を、ひとかたまりの人間として父を、まるごとみようという視点が、病気になってからの父を見つめる私の視点にとても似ていて、それは、一体どういうことなのかなっと考えてみています。
膀胱癌の父も肺癌の父も糖尿病の父も難聴の父も高齢の父も私にはひとりの父なのだけど、娘として、ひとりの父の部分部分で一生懸命に最善を選んできました。
でも、ここにきて、父はようやくひとかたまりの肉体の父として全体を扱われ、私も耳をひとつにお話を聞くことができた感じです。
痛みなく、それでいて意識を研ぎ澄ませていられる時間が少しでも長く保たれれば、人生そのものは縮んだとしても、(これはあちこあちの数値が悪かったとしてもと同義語だけど)良いとさえ、思っていたのに、ここに来て、急に、いや、問題は多少の点滴と輸血でかなり改善されるかもしれませんねという感じなのです。
積極的治療をやめることで、やっと本当に必要だった治療が始まったのかもしれないなっと思うのです。

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