平和にごはんを食べている夫に、心の中にあるものを、思うがままに片っ端からめちゃくちゃな順番で泣きながら投げつけ、それからビールを一缶ぐぐっといっきに飲み干し、私もおなかがすいていたことを思い出して、すき焼きを山盛りごはんと共におなか一杯食べて、放心状態でテレビの前に座ると『ドクター・エックス』というのが流れていたので眺めました。
「アタシ・しっぱいしないの」という超・罪深い台詞で、はっと我にかえり、テレビは消せないので、椅子から立ち上がり、(テレビのつけ方も消し方もチャンネルの変え方も録画されたものの見かたもなんにも知らないのです)音楽でも聴いて、気もちを鎮めようとしましたが、よりによって上原ひろみを選んでしまって、しばらく、聴きいり、ますます、気もちは荒れ狂い、本当に大変な夜でした。
上原ひろみのピアノはすごく女っぽっくて、はげしくて、真剣で、生々しくて、純粋。
聴くたびに私の中の何かが、はげしく反応しちゃう。
危ない上原。愛しい上原。